
AKB48セブ島女子旅ガイドブック掲載をかけたモデルオーディションを見て、投げ銭での順位争いのイベントについて考えさせられました。
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AKB48の18歳以上メンバーを対象に、 5月16日~25日フィリピン・セブ島の女子旅パンフレットの掲載モデルオーディションを配信サービスSHOWROOMで行われました。各参加メンバーはSHOWROOMにて配信し、ファンなどの視聴者からもらった投げ銭とコメントの合計ポイントを競い合います。最も多くのポイントを獲得した1~3位の参加メンバーには、実際セブへロケをし、マリンアクティビティーなどを体験しセブの魅力を紹介するチャンスをもらえます。
企画は終わりましたが、投げ銭を使った順位争いと配信の中身のクオリティーについて考えさせられました。以下はイベントの結果になります。本文の中で投げ銭の金額を紹介したいと思います。
企画の結果
企画の対象メンバーが54名で、すべてのメンバーが積極的にイベントに参加し配信しているわけではありません。実際獲得ポイントの上位3名メンバーがセブ島へ行けるので、上位メンバーが注目を集めました。
ポイントの計算に細かいルールがありますが、基本投げ銭の金額(1円=1ポイント)がポイントのほとんどを占めています。視聴者からのコメントの数がポイントになりますが加算上限が設定されています。最終結果でセブ島へ行けるメンバーはこちら。
- 1位.大西桃香 合計ポイント: 61,583,918pt
- 2位.篠崎彩奈 合計ポイント: 61,560,118pt
- 3位.横山結衣 合計ポイント: 59,301,607pt
投げ銭の金額
今回の企画の投げ銭金額を計算してみました。大まかな金額を把握のが目的なので、ここでは上位10名のメンバーが獲得したポイントの合計を参考値として計算しました。なお、ポイントにコメントと無料ギフトによるものが含まれています。ご了承ください。
- 1位.大西桃香 合計ポイント: 61,583,918pt
- 2位.篠崎彩奈 合計ポイント: 61,560,118pt
- 3位.横山結衣 合計ポイント: 59,301,607pt
- 4位.中西智代梨 合計ポイント: 56,582,619pt
- 5位.橋本陽菜 合計ポイント: 26,391,307pt
- 6位.佐々木優佳里 合計ポイント: 17,751,793pt
- 7位.山根涼羽 合計ポイント: 17,099,407pt
- 8位.行天優莉奈 合計ポイント: 15,924,974pt
- 9位.込山榛香 合計ポイント: 14,841,873pt
- 10位.谷口めぐ 合計ポイント: 10,838,140pt
合計が3億4千万円(341,875,756)に上ります。 かなりの金額になります。ちなみに、モバイルインデックスによりますと、SHOWROOMアプリの2018年の売り上げが45.7億になります。今回の10日間の企画で獲得した投げ銭の金額が2018年の売り上げ金額の7.4%にも上ります。
更に日割りで比較してみましょう。今回セブ島企画の日割り投げ銭による売り上げが3,400万円に対し、2018年の日割りの売り上げ(365日で割る)が1,252万円となります。セブ島企画の日割り売り上げが2018年の日割り売り上げの3倍くらいになります。セブ島企画の収益性と収益効果がものすごく高いでしょう。今後も似たような企画が開催される機会があると推測されます。
不正結果への対応とトラブル
SHOWROOM は不正行為の対策として、不正アカウントによる投げ銭やコメントのポイントをカウントしないようにしています。イベント終了後の翌日正午まで不正行為によるポイントを含んだ合計ポイントがサイトにて公開されていました。順位が以下の通りです。
- 1位.篠崎彩奈 合計ポイント: 61,854,469pt
- 2位.大西桃香 合計ポイント: 61,768,968pt
- 3位.横山結衣 合計ポイント: 59,621,658pt
ご覧の通り、不正行為によるポイントが除外した後の結果と異なります。1位と2位が入れ替わっています。SHOWROOM では翌日正午から数分間不正行為によるポイントの除外計算(サーバーの定時バッチと思われる処理)を行います。なので正午12:00ぴったりでは不正行為によるポイントが含まれる結果が公開されている場合があります。
しかし、企画の提携企業であるKimiBoku社はAKB48Group新聞のTwitterアカウントにて不正行為除外前の結果を最終結果として投稿してしまいました。担当者はすぐその投稿を削除した上、正しい最終結果を投稿しましたが、間違った結果を記載した投稿がスクリーンショットとしてTwitterに投稿されました。それがきっかけとなって運営が企画の結果を操作したという疑惑が浮上しました。以下AKB48Group新聞による釈明のTwitter投稿となります。
不正行為によるポイントの除外は従来通りに行われる処理ではあるが、この事象を知らない利用者が運営が企画の結果を操作したと誤解してしまいます。また、企画について莫大の金額の投げ銭がかかわるので、不満が増幅したでしょう。
投げ銭文化の懸念
今までアイドルを応援するモデルとして、CDを買ったりコンサートなどのイベントへ参加したりするが主流でした。インタネットの発展によって新しいモデルが生まれました。SHOWROOM のような配信サービスを用いてアイドルが配信し、パフォーマンスをしたり視聴者のリクエストに応えたりすることで投げ銭をもうらというモデルが生まれました。
ここまではまだ健全さを保てるレベルだと思います。アイドルがパフォーマンスなどのサービスを提供し、その代わりにファンなどの視聴者から投げ銭をもらうといういたって普通のビジネスモデルとなっています。売買という行為がその配信にて簡潔します。
しかし、今回は投げ銭の累計金額に応じて企画での順位が変わります。企画が10日間に亘って行われました。企画の間は参加メンバーの獲得ポイント数が公開されています。3位以内に入るためにどれくらいのポイント数が必要かは参加メンバーもファンなどの視聴者が把握できる状態となっています。ここで、投げ銭の意味がガラッと変わります。もともと配信者のアイドルがパフォーマンスなどしてファンなどの視聴者を楽しませて、その対価として投げ銭をもらうのに加え、順位争いという要素が加わってしまいます。視聴者を投げ銭で競わせるところがポイントになります。最終結果として参加メンバーが3位以内に入れば問題は起こらないかもしれませんが、4位以下の参加メンバーに投げ銭を入れたファンなどの視聴者は投げ銭の対価として何も得られないという結末になってしまいます。
投げ銭を入れたのに何の対価をも得られない視聴者が不満を感じやすくなります。今回重複アカウントなど不正分のポイントが除外され、企画の最終結果の順位が変わりました。AKB48新聞の不手際に対して多くの不満の声が寄せられました。幸い、3位と4位の結果は変わらないので、騒動に発展することにはなりませんでした。
配信内容への疑問
投げ銭の金額に応じ企画の順位が変わるというやり方は、100%悪いとは限りません。配信者のアイドルが各自視聴者を楽しませる配信内容を用意した上で配信すれば、サービスが投げ銭の対価になるという図式は崩れません。確かに、参加メンバーは他のメンバーとのコラボしたり、普段やらない企画をやったりして視聴者を楽しませる工夫をしました。しかし、企画中の10日間平均1日10時間以上も配信し、配信中に無言だったり、ひたすらコメントを読み上げるなどエンターテイメント性が問われる時間が長かったりします。ただ単に投げ銭を集めるための時間になってしまいます。配信というサービスが投げ銭の対価になるという図式は崩れてしまいます。それによって、投げ銭を入れた視聴者が不満を感じやすくなるでしょう。
最後に
5月27日からSHOWROOM にて「TIF2019出演権争奪!Road to TIF2019〜LAST CHANCE〜」という企画が始まりました。この企画はAKB48セブ島モデルオーディションと同じように、視聴者による投げ銭の累計金額によって順位が決まります。上位の6組が TOKYO IDOL FESTIVAL 2019本大会への出演を獲得します。この企画についてトラブルが起こらないことを祈ります。
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参考資料
2018ライブ配信アプリ現状分析
http://jp.mobileindex.com/report/report_view.asp?s=78
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