がっかりしました。読書感想文「アイドル、やめました。 AKB48のセカンドキャリア」

最近AKB48グループの元アイドルのセカンドキャリア関連の記事と動画を何セットか制作しました。先週からアイドルのセカンドキャリアをテーマに特集「アイドルのセカンドキャリア卒業した後どうする」として記事と動画を3セットほど公開しました。そして先月特集 「賢すぎるアイドルがインフルエンサーとして活躍」 において指原莉乃さんとゆうこすさんの記事と動画を含めればセカンドキャリア関連の記事と動画は計6セット公開しました。

先日、5月23日にアイドルのセカンドキャリアをテーマとして元SDN48の大木亜希子さんがAKB48グループの元メンバーを追跡取材して書いた「アイドル、やめました。 AKB48のセカンドキャリア」が発売されました。せっかくなので出た当日の朝にゲットして早速読みました。ここで読んだ感想をシェアしたいと思います。

がっかりしました

結論から言います。この本で取り上げられた元メンバーのセカンド「キャリア」について知りたい方にはこの本をお勧めしません。詳細は後述しますが、簡単に言いますと、この本では「キャリア」についての内容はほとんどありません。「キャリア」について議論は一旦置いといて、卒業後の「仕事、職業」関連内容は、本の全体の1割りくらいじゃないかなと思います。繰り返しますが、厳密にいうと「キャリア」と言える内容はほとんどありません。(ものすごく柔らかい言い方をしているつもりです。)

アイドル、やめましたというメインタイトルまでは全く問題ありません。サブタイトルの「AKB48のセカンドキャリア」については、本の内容と一致している部分が非常に少ないので、個人的にがっかりしました。

あえて見どころを紹介します

タイトルと本の内容が一致しないところがほとんどだと思いますが、マイナスのことばかり言ってもしょうがないので、ここで観点を変えてこの本の見どころを箇条書きで紹介しましょう。

※マイナスの前提を盛り込まれている。

  • メンバーが加入する前の紹介と心境・現役時代の悩み
  • 卒業を決めるまでの心境や考え方、メンバーが卒業に至るまでの簡単な心境と卒業後どういう仕事をしているか
  • 現在どいう仕事をしているか、仕事についての感想

この本は「アイドル、やめました」というタイトルにおいて、内容として読み応えはあるかと思います。興味がある方はぜひ読んでみてください。「キャリア」を「仕事」の同義語として捉えている方、またはAKB48グループとAKB48を区別しない方にとっては充分楽しめるのではないかと思います。

「キャリア」は「仕事」の同義語ではありません

「アイドル、やめました。 AKB48のセカンドキャリア」という本の重要なポイントが「セカンドキャリア」というところにあたると思います。しかし、どうやらこの本ではキャリアを仕事の同義語として解釈しているかと思います。私は社会人として理解しているキャリアという言葉の意味は、厚生労働省が発表した「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」の資料の通りです。

上記の資料では、「キャリア」とは、一般に「経歴」、「経験」、「発展」さらには、「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念として捉えられる、とあります。文章が難解そうに見えるので簡単に言い換えると、働くことに関わる継続的かつ具体的な取り組みの計画と実績、ということです。例えば、AKB48グループのメンバーの場合、「職業」がアイドルとなります。「キャリア」は、どれくらいの時間をかけて選抜入り、握手会完売、音楽番組への出演を果たすかの具体的な取り組みの計画と実績になります。3年以内にシングルの選抜入りを果たして、5年以内に選抜総選挙の選抜メンバー(トップ16)になる、というのが「キャリア」プラン(ざっくりしたプランですが)になります。もう少し付け加えると、キャリアを考えるにあたり、業界分析や市場分析が重要な作業になります。簡単にいうと、斜陽産業には参入せず成長産業に参入します。また、レッド・オーシャンを避けてブルー・オーシャンを選ぶということになります。

キャリアの内容が薄い

この本では7名の元メンバーとAKB48カフェの元店員を取り上げていますが、各元メンバーの今の「キャリア」についての内容がほとんどありません。その代わり、彼女たちは今どういう職業に就いているか、そして仕事の内容や仕事への考え方についての簡潔な記述が記載されています。キャリアという観点の内容はほとんど見当たりません。

※AKB48カフェの元店員を批判するつもりはまったくありません。誤解しないように。

著者自身も本人について記述について、キャリア関連内容がほとんどありませんでした。経歴(出来事と事実)の紹介はありますが、その理由や考え方についての内容は多くありませんでした。また、ライターとして生涯を終えるのか、編集長を目指すのか、それとも別の業界にチャレンジするのかの記載もありません。キャリア形成において苦労したところ、工夫したところの記載もありません。

元AKB48メンバーのセカンド「キャリア」を知りたかったのに、この本に記載がほとんどなかったのでがっかりしました。

どの元メンバーを取り上げるかの基準

この本で取り上げる元メンバーの共通点について考えました。なんでこの本に選ばれたか、まったく読み取れませんでした。もちろん、別に共通点がなくても問題ありませんが、一冊の本として決まった基準がある方が読みやすいかと思いました。(共通点といえばAKB48グループの元メンバーと言いたかったのですが、元メンバーでない方もいるので、共通点が見つかりませんでした。)

少し掘り下げて考えましょう。職業の特徴に着眼して何か個性のある内容を伝えようというとそうではないみたいだし、似たような職業の方をまとめて紹介しようとするのでもなく、なるべくバリエーションを付けていろいろなケースを紹介するのでもありません。選抜常連と選抜未経験者という軸でもありません。何か軸がないなと感じてしまいます。悪い方向に推測してしまって申し訳ございませんが、卒業メンバーの中でアポが簡単に取れた人を集めたというふうに感じました。

タイトルが怪しい、AKB48メンバーは一人のみ

この本に取り上げている8名の方の中、AKB48メンバーは佐藤すみれさんだけです。他の元メンバーはAKB48の「姉妹グループ」の方です。別の言い方をすれば「AKB48グループ」の元メンバーです。

※ちなみに本の帯にはきちんとAKB48G(グループ)と記載してあります。帯にはありました。正式情報は帯にあるのにタイトルと本の中身にはない、という現状です。ちゃんと帯まで読まない人は自己責任でお願いします。

また、そもそもアイドルじゃない方が1名いらっしゃいます。彼女の存在を否定するつもりは一切ありませんが、本のタイトルが誤解を招きやすく感じますし、盛っている感さえします。内容が素晴らしいのであれば納得がいくかもしれませんが、タイトルと内容があまりにもズレているので素直に読めない気持ちでいっぱいです。

前置き長すぎる、オリジナルコンテンツが少ない

8つのストーリーを読んで分かるかと思いますが、それぞれAKB48グループに入るまでの記述が半分以上占めています。セカンドキャリア(正しくセカンドキャリアではなく、卒業後の仕事)の内容がとても薄くなっています。セカンドキャリアを説明するのに必要な前置きのであれば理解しますが、それほど深くかかっているわけでもありません。しかも、前置きの経歴はTwitterやInstagram、Wikipediaを見れば大半の情報を得られます。それらの情報をきれいに整理して年表にまとめられているわけでもありません。

字数稼ぎという表現を非常に使いたくありません。AKB48グループと各元メンバーのことをそれほど詳しくない読者のために人物紹介は必要だと思いますが、ボリュームとしては多すぎておかしいと思いました。前置きを簡潔にまとめ、取り上げられる元メンバーの気持ちや心境、考え方、そしてセカンドキャリアの紹介などこの本を読まないと得られない情報、いわゆる「オリジナルコンテンツ」をもっともっと盛り込んでいただければ素晴らしい作品になると期待しています。

最後に

2019年5月23日にアイドルのセカンドキャリアをテーマとして元SDN48の大木亜希子さんが書いた「アイドル、やめました。 AKB48のセカンドキャリア」の読書感想文をシェアしました。批判っぽくなってしまって申し訳ございません。この本を楽しみにしているし、最近AKB48グループの元メンバーのセカンドキャリアの資料を整理しているから、期待した分だけ失望しました。そして、ビジネス書として期待した自分が悪かった。

以下のタイトルとしてこの本を読んだらきっともっと満足したのではないかと思います。著者の大木亜希子さん、次作、期待しています。

この本にふさわしいタイトル:「著者がピックアップした元AKB48グループメンバーの加入からAKB48グループを卒業して、そして次の仕事に就くまでの人物紹介。ボーナス:AKB48カフェっ娘のストーリー」

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この記事の冒頭で紹介した「元AKB48グループの元メンバーのセカンドキャリア」についての記事はこちら。

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参考資料

厚生労働省「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」 https://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/07/h0731-3.html

Filed under: フリートーク

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